『奇想の図譜』

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・第5回本格ミステリ大賞の評論・研究部門で『天城一の密室犯罪学教程』 天城一著、日下三蔵編 日本評論社に決定したそうで、密室系としては、諸手を挙げて喜んでおります。両氏ともにおめでとうございます。
・『快楽亭ブラック集』(ちくま文庫)、『鬼警部アイアンサイド』(ポケミス)、ナイオ・マーシュ『アレン警部登場』(論創社)購入。
・先日、東京日帰り出張。風薫るという感じだが、こっちはまだ気温が低い。浜松町のキオスクを覗いたが、PDクラシックのDVDは見あたらず。
・辻 惟雄『奇想の図譜』(ちくま学芸文庫)を読む。蘭書の図像を換骨奪胎した北斎がヨーロッパ絵画に与えた美の越境の物語、舟木洛中洛外図の圧倒的パワー、若冲の浮遊世界、写楽の正体問答、かざりの奇想史まで、『奇想の系譜』と同様、日本美術の独創を探る著者の論考は、面白くてタメになる。わびさび的な日本文化像が一変すること請け合いである。同じく、奇を好む中国に比べ、日本美術の奇想は、「はるかに情動的、即興的、感覚的であり、まるで子供のように無邪気で他愛がな」いが、「それが日本美術の魅力であり、存在理由」と著者は、あとがきで書いている。先日読んだ『模倣される日本』に、イギリスの初代駐日総領事だったオールコックが「日本は子供の楽園」と呼んだという話や、幕末の外国人の滞在記に、日本人は子供が楽しむものの開発に抜きんでている、という話が出てきたが、子供っぽさというのが、日本文化の一つの特質なのかもしれない。
・『ふたりの女』('60・伊) カバヤDVD ☆☆☆
監督: ヴィットリオ・デ・シーカ  主演/ソフィア・ローレン ジャン=ポール・ベルモンド
 二次大戦末期の独・米・英・露の兵隊が入り交じる混乱状況のイタリアを舞台にしたドラマ。戦火を逃れて故郷へ疎開した母娘。娘は知的な青年に憧れを抱き、青年は逆に母を愛するようになる。青年はドイツ兵に拉致され、さらなる悲劇が母娘を襲う―。ソフィア・ローレンのヴァィタリティ溢れる母親役もいいが、かよわく儚げな娘(エレオノラ・ブラウン)の瞳に射抜かれる。
  奇想の図譜―からくり・若冲・かざり

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